働く女性を増やそうという動きが、政府でも、民間企業でも広まり始めました。決まって出てくるのが、育児との「両立」です。「両立」という以上、育児に割く時間と仕事は相容れないもの、という見方をされている感じがしますよね。でも、そもそも、子育てが本当に仕事を阻むのでしょうか?
子育てには相当ビジネスに必要な要素がつまっている、というのが実感です。
子どもは最も世界で思い通りにならないクライアント。基本的にこちらの言うことに従わないことが多く(付き合いが長くなるにつれて悪化)、わがままで要求水準が高く、ときにこちらの痛いところをついてきます。おまけに何でもたいてい短納期で(朝になって今日学校で必要なものを主張)、真夜中や、今日は代わりのきかない仕事なんだというときに限って熱を出したりして、タイミングをまったくよみません。
しかし、愛という、しかも自分だけへの愛というとびっきりの報酬を返してくれるのです。
・・・育児休暇をただの「ブランク」とみるか、例えば「緊急事態に備えられる危機管理能力が身についた」とみるかによって、会社との関係もかわってくるかもしれません。育児のみならず、仕事そのもの以外から得られたものをどう仕事に活かすか、というふうに見方をかえることで、長時間労働できない人たちが増えてくるこれからの超高齢化社会の働き方に柔軟に対応できるのではないでしょうか。